歯周病は、日本人の国民病ともいえる病気です。令和4年の厚生労働省の調査では、全体の47.9%に歯周病の初期症状が見られたそうです。そして、日本人が歯を失う原因の第1位も歯周病となっています。
このように、多くの方が歯周病で苦しんでいます。
しかし、ご安心ください。歯周病の原因やメカニズムは科学的に解明されています。つまり、きちんと対処すれば治療や予防が可能ということです。
歯周病は、細菌による感染症です。そして、生活習慣病でもあります。
たかもり歯科医院では、原因菌にアプローチする治療法と、生活習慣の改善指導などで、歯周病の治療に取り組んでいます。重度に進行した歯周病でも対応できます。歯周病にお悩みの方は、ぜひ当院にご相談ください。
歯周病は、痛みなどのわかりやすい自覚症状がほとんどないまま進行し、そのうち歯が抜けてしまうという恐ろしい病気です。そして歯周病は細菌による感染症なのですが、原因菌の種類により効果的な治療法や薬剤が異なります。
当院では、多角的な検査で原因菌を特定し、患者さん一人ひとりに合わせた治療プランを作成します。
以下、当院の検査や治療についてご紹介します。
歯周ポケットの深さを測ると、歯周病の進行度がわかります。健康な歯茎の歯周ポケットの深さは1〜3mですが、4mm以上となると、歯周病の可能性があります。
歯周病が進むと、歯を支える骨が溶けてしまいます。骨の状態を確認するために、X線検査を行います。当院のX線検査では、「CT」を使います。CTは、お口の周囲を全方向から撮影したデータをコンピュータが合成します。レントゲンに比べて立体的で鮮明な画像が得られるのが特徴です。
唾液を検査することで、虫歯や歯周病になりやすいかどうかがわかります。検査結果をもとに、患者さんひとりひとりに合わせた治療プランを作成します。
当院の唾液検査は、「デントカルト」という検査キットを利用しています。WHO（世界保健機関）の疫学検査にも使われている、信頼性の高い唾液検査です。
口臭の主な原因は、歯周病菌が放出するガスです。口臭を検査することで、原因菌などを特定する手掛かりになります。当院は、「オーラルクロマ」という口臭測定器を使って検査をします。さまざまな口臭測定器がありますが、この中でもオーラルクロマは検査精度の高さに定評があります。
「位相差顕微鏡」という特殊な顕微鏡を使って、細菌検査を行います。一般的な顕微鏡と異なり、生きたままの細菌を観察できるので、より詳しい情報が得られ、細菌の種類を特定するのに役立ちます。
少量の唾液をお預かりして、中に含まれる歯周病原因菌の有無をDNA検査で測定します。検査結果から、患者さんおひとりおひとりに合わせた対策をレポートにしてお渡しします（検査結果レポートのお渡しに、約1ヶ月かかります）。
歯周病を改善するには、ご自宅での歯みがきが不可欠です。しかし、歯と歯の間の汚れや、歯周ポケット深くに溜まった歯石は、ご自宅での歯みがきでは落とせません。こういった汚れは、歯科医院で専門的な器具を使わないと取り除く必要があります。
歯科医院でのお口のクリーニングを「PMTC（Professional Machine Tooth Cleaning）」といいます。お口のメンテナンスの専門家である「歯科衛生士」が、専門の器具を使って、歯石や歯垢を取り除きます。
歯周病菌の種類によっては、抗生物質で改善できます。
各種の検査で歯周病の原因菌が特定できたら、必要に応じて「ジスロマック」などの抗生物質を服用していただきます。
歯周病を改善するには、歯石や歯垢を取り除くことも重要ですが、「バイオフィルム」もしっかり落とす必要があります。バイオフィルムは細菌が集まってヌメリのような状態になったもので、目には見えません。
当院では、スイスEMS社の「エアフローハンディ3.0」を使って、バイオフィルムを落としていきます。
エアフローは、細かいパウダーを歯の表面に吹き付けてバイオフィルムを落とします。歯や歯肉に傷を付けずにバイオフィルムを落とせるのが特徴です。
次の画像は、エアフローを使ってバイオフィルムを取り除く様子です。
患者さんが口をゆすぐときや、歯を削るときなど、歯科医院では、大量の水を使用しています。多くの歯科医院では、一般家庭と同じ「水道水」を使っているのですが、ただの水道水では、治療ユニットなどの配管内で細菌が繁殖してしまうことがあります。抵抗力の弱い小さなお子さんやお年寄りは、細菌を含んだ水が原因で感染症を引き起こしてしまうリスクもあります。
そこで当院では、院内で使われている水をすべて安全な「殺菌水（中性電解水）」に変えるシステム「ポセイドン」を導入し、感染対策を行っています。
歯周病がひどく進行して、歯を支える骨が溶けてしまうと、抜歯を選択する歯科医院も多いです（そうでなくても、いずれ歯は抜け落ちてしまうでしょう）。しかし、骨が再生し、再び歯を安定させることができれば、歯を失う心配はありません。
当院では、「歯周組織再生療法」で、骨を再生させて歯を安定させることに取り組んでいます。
歯周ポケットから歯石や歯垢を取り除くと、溶けてしまった骨や歯肉は少しずつ再生します。実は、骨にも自ら再生する能力があるのです。とはいえ、現実には骨が自然に再生することはほぼありません。骨に比べて、歯肉が再生するスピードは圧倒的に速く、本来は骨が再生するべき場所を歯肉が埋め尽くしてしまうためです。
そこで、当院は「GTR法」という治療で骨を再生させます。GTR法では、骨が再生するべき場所を「メンブレン」という膜で覆って保護することで、骨は歯肉に邪魔されずに再生します。
「エムドゲイン」は、骨の再生を促す特殊なたんぱく質を含んだ薬品です。歯肉を切開して、骨が失われた部分にエムドゲインを塗布すると、個人差はありますが数ヶ月〜1年ほどで、歯を支える骨が再生します。
次の動画をご覧ください。歯の周りにあるすき間が、骨が失われた部分です。エムドゲインによって、このすき間がなくなっていく様子がおわかりいただけます。
皆さんの血液には、体の組織を再生させる「成長因子」が含まれています。患者さんの血液を、特殊な遠心分離機で処理することで、成長因子が凝縮された「CGF」や「AFG」などの物質が生成されます。
歯周病で骨が失われた部分にCGFやAFGを埋め込むと、骨が徐々に再生されます。
ご自身の血液に由来するものなので、拒絶反応などが起こるリスクがありません。
歯周病がひどくなると歯周ポケットが深くなり、通常の器具が届かないところに歯石や汚れが溜まってしまいます。そのまま放置していると、歯周病はさらに進行し、いずれ歯は抜けてしまいます。
そこで、歯肉を切開するなどの方法で、歯周ポケット奥深くの歯石や汚れを取り除く治療法が「歯周外科治療」です。
「FOP法」は、外科的に歯肉を切開し、歯石や汚れを取り除く術式です。汚れを取り除くと炎症は治まり、時間の経過と共に歯周ポケットは浅くなってきます。
奥歯の根は複数に分かれています。歯周病が進んで歯の根のまわりの骨が失われると、根の分かれ目の裏側に歯石が溜まってしまいます。こうなると通常の方法では歯石を取ることはできません。
そこで、奥歯を2〜3に分割し、歯石や汚れを落としやすくする治療法が「ルートセパレーション」です。歯石や汚れを取り除いたら、被せ物を取り付けて、見た目や機能性を回復します。
歯周病で歯肉が失われると、歯が長くなったように見えます。
本来は歯肉や骨で覆われているはずの歯の根が露出するため、見た目の問題だけでなく、知覚過敏などのトラブルの原因にも鳴ります。
当院では、「歯肉移植術（根面被覆）」という治療法で、この問題を改善します。歯肉移植術では、主に上あごの歯肉を切り取って、歯肉が失われた部分に移植します。
ビタミンCには、コラーゲンの生成を促進する効果があります。高濃度のビタミンCを点滴投与することで、歯周病による歯肉炎の改善に大きな効果があります。歯肉の回復だけでなく、全身に行き渡ったビタミンCは、お肌に弾力を与えシワやたるみを改善するなど、全身にアンチエイジング効果をもたらします。
詳しくはお問い合わせください。
当院では、患者さんが抱えていらっしゃるお口のお悩みや疑問・不安などにお応えする機会を設けております。どんなことでも構いませんので、私たちにお話ししていただけたらと思います。
ご興味がある方は下記からお問い合わせください。
